不動産売却に必要な書類(原則)
不動産を売却する場合、基本的に必要な書類です。
- 権利証
- 印鑑証明書(発行より3ヶ月以内のもの)
その他、登記簿所の住所と現住所が相違する場合は更に以下の書類が必要となります。
- 住民票または戸籍附票(登記簿上の住所から現住所までの繋がりのわかるもの)
海外在住の場合であっても上記の「権利証」は問題なく使えますが、印鑑証明書、住所変更がある場合が問題となります。
不動産売却に必要な書類(海外在住の場合)
印鑑証明書ですが、印鑑証明書は日本に住所が無い場合は発行してもらうことが出来ません。
ですので、海外在住の日本人は印鑑証明書に変わる書類を用意する必要があります。
それが、「署名証明書」になります。
署名証明書は、その居住している国の日本大使館や総領事館で交付してもらうことが出来ます。
不動産売却の場合は、登記手続きは普通司法書士に依頼しますので、署名証明書は司法書士宛の委任状に合綴する形で発行してもらいます。
委任状にした署名が本人の署名であることを証明してもらうのです。
ややこしいのが、住所変更のある場合です。
現在海外在住であれば、ほとんどの確立で登記簿上の住所と現住所は相違すると思います。
ですので、日本の住所→海外の住所への変更登記が売却の前提として必要になります。
日本の住所から海外の住所への住所変更
日本国内で住所をいくら移転しても、住民票や戸籍附票で登記簿上の住所から現住所までの変遷を証明することが出来ます。
しかし、日本→海外の場合にはそうはいきません。
海外に住所を転出した場合には、日本の住民票や戸籍附票には、○○国○○州○○市へ転出くらいまでの記載しかされません。
これでは、現在その国のどこに住んでいるのか詳細がまったく分からないのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
まず、海外のどこに住んでいるのかをしっかり証明する必要があります。
それには「在留証明書」という書類を取得します。
これも署名証明書と同じく、現地の日本大使館や総領事館で取得することが出来ます。
在留証明書には、その国のどこに居住しているかをしっかり明記してくれます。
ただ、日本の住民票と違うのは、前にどこに住んでいたかの証明はしてくれないのです。
ですので、日本→海外の住所への繋がりを明確に証明することが出来ないのです。
日本の住民票では○○国○○州○○市へ行ったとした書いていませんし、海外の在留証明書には、日本の前住所が記載されているわけではないからです。
※海外のその国内での移転の変遷については一定条件を満たせば証明してくれます。
これをケアするには、「上申書」という書類を作成するしかありません。
これは、実務的な書類になるのですが、登記所に対して、「住所が明確につながっていませんがご迷惑をお掛けしないので何卒穏便に進めてくださいませ」とお願いする文書になります。
ケースによっては、上申書以外にも他の書類提出を求められることもあるので、このあたりは登記所に事前に相談したり、司法書士の経験よります。
まとめ
- 海外在住の日本人が不動産を売却する場合には、権利証以外に印鑑証明書の代わりに「署名証明書」、住所変更がある場合は、住民票や戸籍附票と併せて「在留証明書」を用意する。
- 日本→海外の住所変更は正確にはつながらないので「上申書」が必要となる。
- 上記以外にもケースによって、登記所から書類の提出を求められることもあるので、登記申請の前段階で事前に登記所と話しあっておいたり、司法書士の経験が重要となる。