顧客概要
- お客様:F様(50代・男性・自営業)
- ご家族:高齢のお母様、兄弟姉妹
- お住まい:東京都町田市
- ご相談内容:お母様の将来の認知症対策と相続対策を同時に進めたい
ご依頼の経緯
F様は、自営業を営みながらお母様の生活をサポートしていましたが、最近お母様の物忘れが増え、体調も優れないことが多くなってきたことから、将来的な財産管理に強い不安を感じるようになったそうです。兄弟で話し合った結果、F様が財産管理を担うことになりました。しかし、認知症による判断能力低下や、将来の相続税の負担、兄弟間での公平な分配など、複数の課題が浮かび上がり、ご自身では解決できないと判断。
顧問税理士に相談したところ、「家族信託と相続対策に詳しい司法書士」という理由で、当事務所をご紹介いただきました。
担当司法書士のコメント
今回のポイントは、
- 高齢のお母様の認知症対策
- 農地を含む複雑な財産構成
- 将来の相続税対策
この3点をどのようにバランスよく解決するかでした。家族信託は非常に有効ですが、信託財産に農地を含めることはできません。そこで、以下のような総合的なスキームを提案しました。
具体的に行ったこと
- 家族信託の設計
- 委託者兼受益者:お母様
- 受託者:長男であるF様
- 信託財産:農地以外の不動産、預貯金などの金融資産
- 農地対策として任意後見契約を併用
信託できない農地については、将来のお母様の判断能力低下に備え、長女を任意後見人とする契約を締結。家族で役割分担を明確化しました。 - 遺言書の作成
農地を含む信託財産以外の資産については、お母様の希望を反映した遺言書を作成。将来の相続時にトラブルが起きないよう、事前に承継先を確定しました。 - 税理士と連携した相続税シミュレーション
財産規模が大きかったため、相続発生時の税負担も考慮しながら残余財産の帰属先を設定。できる限り税負担が軽減されるスキームを構築しました。
その結果
今回のスキームにより、
- お母様が認知症になっても、家族信託と任意後見で全財産の管理が可能
- 将来の相続についても、税理士と連携した事前対策で安心
- 農地という特殊財産にも対応し、家族間での役割分担を明確化
複雑な課題を一括で解決することができました。
お客様からのメッセージ
「最初は家族信託だけで済むと思っていましたが、農地や相続税の問題があると聞き、不安が増していました。佐伯先生から、家族信託・任意後見・遺言を組み合わせる提案をいただき、納得のいく形で家族全員が安心できました。母も『これで心配ない』と笑顔になり、お願いして本当に良かったです。」