■事例の背景
M様は80代の男性で、東京都町田市にお住まいです。ある日、妹様の後見人を務めていた司法書士から一通の連絡が届きました。妹様が亡くなられ、相続が発生したという内容でした。妹様とは「父違い」のご関係で、長年疎遠になっており、他の兄弟姉妹ともあまり交流がなかったため、突然の知らせに驚かれたそうです。
相続人はM様を含め数名おり、連絡先は分かっていても普段やり取りのない関係で、誰がどのように対応するのかが不明確な状態でした。さらに、妹様名義の不動産は茨城県にあり、M様ご自身も高齢のため、現地での確認や登記手続きを自分で行うのは困難でした。
また、相続財産は不動産のほか、預貯金、年金未支給金など複数の金融機関にまたがっており、「何を、どこから、どのように手続きすればよいのか」がわからないという状況にありました。相続人の間で連絡を取り合い、話し合いを進めるにしても、法律的にどこまで対応できるのか判断がつかず、不安を感じていたといいます。
「自分一人ではとても対応しきれない。誰か信頼できる専門家にお願いしたい」と考えたM様は、自宅近くにある司法書士法人さえき事務所をインターネットで見つけ、相談にお越しくださいました。
■当事務所からのご提案
ご相談をいただいた時点で、M様は「妹の相続が発生したことは分かったものの、どこから何を始めればよいのか分からない」とお困りの状況でした。
相続人同士は疎遠で、代表して誰が手続きを進めるかも決まっていません。さらに、不動産が茨城県にあるため、物理的な距離もありました。そこで当事務所では、**「全体の整理と交通整理を行い、相続人全員が納得できるかたちで手続きを完了させる」**ことを目的に、以下の流れでご提案を進めました。
① 相続人調査と戸籍収集
まずは、妹様の出生から死亡までの戸籍をすべて収集し、相続人の範囲を正確に確定しました。父違いの兄弟姉妹が関係するケースでは、戸籍が複数の本籍地に分かれており、収集漏れが起こりやすい点に注意が必要です。当事務所では、複数自治体への請求を代行し、法的に正確な相続関係を整理しました。
② 相続財産の調査と遺産目録の作成
次に、妹様名義の財産を徹底的に調査しました。
不動産登記簿、預貯金口座、証券口座、年金関係などを一つずつ洗い出し、すべての財産を一覧にまとめた「遺産目録」を作成。これにより、相続人全員が現状を正確に把握できるようにしました。
③ 疎遠な相続人への連絡・案内文書の作成
相続人の中には、M様と長年連絡を取っていない方もいました。
当事務所では、法律に基づいた丁寧な説明文書を作成し、トラブルにならないよう配慮しながら連絡を実施。「公平で中立な立場」で全員に情報が行き渡るように対応しました。
④ 遺産分割協議のサポート
相続人が遠方に住んでおり、全員が一堂に会するのが難しかったため、書面と電話・郵送で協議を進めました。当事務所では、法的に有効な「遺産分割協議書」のひな形を作成し、内容調整をサポート。兄弟姉妹間の意思を整理しながら、最終的に全員の合意を得て協議書を完成させました。
⑤ 各種相続手続きの代行と完了報告
協議内容が確定した後は、不動産の名義変更登記、預貯金の払い戻し、残余財産の分配など、すべての手続きを当事務所で一括サポートしました。遠方の茨城県の不動産についても、現地の法務局と連携し、M様が町田市から出向くことなく登記を完了。最後に、全手続きの経過と結果をまとめた報告書を作成し、M様にお渡ししました。
今回のケースのように、相続人同士が疎遠であったり、財産が遠方にある場合でも、司法書士が中心となって全体を整理しながら進めることで、円滑な解決が可能です。
M様からは「自分の手を煩わせることなく、最後まで安心して任せられた」とのお言葉をいただきました。
■お客様の声
私も高齢のため、自分で相続の手続きを進めるのは難しく感じていました。
妹の遺産は不動産だけでなく預貯金なども複数あり、さらに不動産は茨城県にあったため、どこから手をつけてよいか分からず困っていました。
そんな中、町田市内で相談できる司法書士法人さえき事務所さんを見つけ、思い切って相談したところ、最初から最後までとても丁寧に対応してくださいました。相続人調査や遺産目録の作成、他の相続人への連絡など、すべてをお任せできたので大変助かりました。
茨城県の土地も無事に私の名義になり、今後の売却手続きについても引き続きお願いする予定です。自分一人では到底できなかったことをすべて任せられ、本当に安心しました。ありがとうございました。