■事例の背景
S様は大和市にお住まいの50代の男性。数か月前にお父様を亡くされ、高齢のお母様と二人で相続手続きを進める必要がありました。遺産は千葉県にある実家の不動産と、同県内の地方銀行に預けられた預貯金など。S様は平日は仕事で忙しく、また千葉まで行くには時間と労力がかかるため、なかなか手続きを進められずにいました。
さらに、お母様は今も実家にお住まいですが、ご高齢のため体調の変化もあり、今後の生活や判断能力の低下についても心配がありました。「今は元気でも、将来もしも母が認知症になったらどうすればいいのか」「手続きを進める中でトラブルが起きたら困る」といった不安が募り、相続をきっかけに将来の備えも考えたいと感じるようになったそうです。
当初は自分で戸籍を集めて手続きをしようとしましたが、書類の複雑さや平日の窓口対応の多さに限界を感じ、「専門家に任せて、安心してすべてを完了させたい」との思いから、相続に強い司法書士法人さえき事務所にご相談いただきました。
■当事務所からのご提案
S様のご相談は、「千葉県の不動産や金融資産を含む相続手続きを遠方から進めたい」というものでした。加えて、高齢のお母様が今後も安心して暮らせるよう、将来の備えも一緒に検討したいというご希望がありました。
まず当事務所では、相続人調査と遺産調査の徹底から着手しました。お父様の出生から死亡までの戸籍を全て収集し、相続関係説明図を作成。遺産についても、不動産登記事項証明書や銀行口座の残高証明書を取得し、相続対象を明確に整理しました。その上で、遺産分割協議書を作成し、不動産はお母様の単独名義に変更する方針を固めました。
不動産の登記手続きでは、古い抵当権が登記簿上に残っていることが判明。当時の銀行から発行された抹消書類が見つからず、通常であれば再発行の依頼に時間がかかるケースです。しかし当事務所が直接、当時の金融機関へ照会を行い、必要書類を再発行のうえ、相続登記と抵当権抹消登記を同時に完了させました。こうした整理を相続のタイミングで行うことで、将来的な売却や二次相続の際にも安心できる状態となりました。
さらに、千葉県内の銀行に関しても、当事務所が代理人としてすべての相続手続きを実施。お母様やS様が窓口に出向く必要は一切なく、必要書類のやり取りは郵送で完結しました。これにより、遠方に住むS様の負担を大幅に軽減できました。
加えて、お母様が今後施設に入る可能性や、判断能力の低下に備えるために、任意後見契約の締結をご提案しました。任意後見契約は、本人の判断能力が低下したときにはじめて効力が発生する制度で、現時点ではお母様の自由な意思を尊重しながら、将来に備えることができます。これにより、「いざという時に備えがある」という安心感を持っていただくことができました。
結果として、相続登記・預貯金の相続・古い抵当権の整理、さらに将来の生活設計まで、一貫したサポートを提供することができました。S様からは、「遠方でもすべて任せられた」「母の今後のことまで考えてもらえて安心だった」との感想をいただきました。
■お客様の声
高齢の母の今後の認知症対策も含めて、すべて相談に乗っていただけたので本当に助かりました。私は平日は仕事があり、千葉まで行って手続きを進めるのは難しいと思っていたのですが、司法書士法人さえき事務所さんが代理で進めてくださったおかげで、ほとんど手間がかかりませんでした。
不動産の名義変更だけでなく、銀行の相続手続きもすべて代行していただき、書類のやり取りも郵送で完了。不動産に古い抵当権が残っていたことにも気付いてくださり、再発行の依頼から抹消まで一括で対応してもらえたのも大きな安心でした。
母も「自分の判断力があるうちに任意後見契約を結べてよかった」と喜んでおり、今後の生活についても安心できる気持ちになったようです。相続の手続きだけでなく、これからの人生設計まで見据えてサポートしていただけたと感じています。