[相続]
最寄りの役所で戸籍が取れる「広域交付制度」完全ガイド
- 投稿:2025年07月23日
2024年3月1日からスタートした**「戸籍の広域交付制度」**をご存じでしょうか?
これまで戸籍謄本を取得するには、本籍地のある役所に直接行くか、郵送請求する必要がありました。しかし、この新制度により、全国どこの役所でも戸籍が取れるようになったのです。
「相続登記の義務化」や「不動産手続き」など、戸籍が必要な場面でこの制度は非常に便利です。今回は、この広域交付制度について解説します。
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目次
広域交付制度とは?
広域交付制度とは、これまで本籍地のある役所でしか取得できなかった戸籍を、全国どこの市区町村役場でも請求できる制度です。
◆ 制度導入前の問題点
- 本籍地が遠方の場合、郵送請求で時間がかかる
- 郵送にかかる手間・費用が負担
- 支払いは余分な手数料のかかる定額小為替を使用するため不便
- しかも役所からはお釣り無しを要求される(何通戸籍が取れるか分からないのに!)
◆ 制度導入後のメリット
- 最寄りの役所で即日取得可能(※条件あり)
- 本籍地まで行く必要なし
- 相続や不動産取引の効率アップ
例えば、東京在住で本籍が大阪にある人でも、東京の役所で戸籍を取得できます。
どこの役所で取得できる?
- 全国すべての市区町村役場で請求可能
- ただし、一部の出張所では取り扱いできない場合あり
- 各自治体のホームページで事前確認を推奨
請求できる戸籍は誰のもの?
広域交付で請求できるのは、以下の範囲に限定されています。
✅ 本人の戸籍
✅ 配偶者の戸籍(死亡した配偶者もOK)
✅ 直系尊属(父母・祖父母)
✅ 直系卑属(子・孫)
❌ 請求できない人
- 兄弟姉妹
- おじ・おば、いとこ など
※重要ポイント:相続で配偶者が亡くなった場合、その配偶者の戸籍も広域交付で取得可能です。
(制度開始前は議論がありましたが、最終的にOKとなりました。)
取得できる戸籍と取得できない戸籍
✅ 取得できるもの
- 戸籍謄本(全部事項証明)
- 除籍謄本(過去に除籍されたもの)
- 改製原戸籍(旧フォーマットの戸籍)
❌ 取得できないもの
- コンピュータ化されていない戸籍
→ ただし、現在ほとんどの戸籍はスキャン済みのため、基本的には取得可能です。 - 戸籍の一部事項証明(抄本)
→ 広域交付では抄本(家族の一部記載)は不可。必ず謄本(家族全員記載)になります。
手続きの流れと必要書類
✅ 1. 本人が窓口で申請
- 郵送請求・代理人請求は不可
✅ 2. 必要書類
- 顔写真付き本人確認書類(例:マイナンバーカード、運転免許証、パスポート)
✅ 3. 手数料
- 戸籍謄本:450円 ※自治体によって多少異なることもあります
- 除籍謄本・改製原戸籍:750円前後 ※自治体によって多少異なることもあります
✅ 4. 交付方法
- 即日交付が基本ですが、混雑状況やシステム処理により後日交付になる場合があります。
広域交付の注意点
- 代理人申請不可(司法書士など国家資格者や家族でもNG)
- 郵送請求不可(必ず窓口)
- 写真付き身分証明書が必須
- 事前予約が必要な自治体あり
- 混雑に注意(特に4月~5月は相続登記義務化で窓口が込み合う)
まとめ:広域交付は相続や不動産手続きの必須制度
2024年の相続登記義務化により、戸籍収集のニーズは急増しています。
広域交付を活用すれば、本籍地が遠方でも最寄りの役所で戸籍をまとめて取得できます。
✅ ポイントおさらい
身分証明書は写真付き必須
全国どこでも戸籍を取れる
本人・配偶者・直系親族のみ対象
抄本は不可、謄本のみ
代理申請・郵送不可、本人が窓口へ