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登記完了が「1か月待ち」!? 司法書士が解説する、登記完了遅延の現状と注意点

  • 投稿:2025年10月28日
登記完了が「1か月待ち」!? 司法書士が解説する、登記完了遅延の現状と注意点

近ごろ、「登記がなかなか完了しない」という声が多く聞かれるようになりました。
不動産の売買や会社設立の場面で、「法務局に登記を出したけれど、いつまで経っても完了しない」というケースが全国的に増えています。実際、東京法務局本局(九段下)では、登記完了予定日が申請日からおよそ1か月後という状況が常態化しています。

これまでなら2週間ほどで完了していた登記が、なぜこんなに時間がかかるようになったのか。
そしてこの遅れが、不動産取引や会社運営にどんな影響を及ぼすのか。
今回は、現場で日々登記を扱う司法書士の立場から、最新の実情と注意点をわかりやすく解説します。

※動画でも解説していますので是非ご覧ください。チャンネル登録もよろしくお願いします!!

登記完了まで「1か月待ち」が当たり前に

法務局の公式サイトでは、各登記所の「登記完了予定日」が公表されています。
東京本局の表を見てみると、不動産登記・商業登記のいずれも、申請から完了まで約1か月前後
例えば、9月22日に申請された登記が、完了予定日として10月23日と記載されています。つまり、1か月以上もかかっているのです。

2〜3年前までは、登記の完了までおおむね10日前後。遅くても2週間ほどで完了していました。
しかし今は、都市部を中心に1か月以上かかることが珍しくありません。

登記が遅れている4つの背景

この異例の遅延には、いくつかの要因が考えられます。大きく分けて次の4つです。

① 人手不足?

最も単純な理由として「法務局の人員不足」が挙げられますが、実際には職員数そのものは大きく減っていません。
単純な人手不足だけが原因とは言い切れません。

② 登記件数の増加?

こちらも一見ありそうですが、登記件数の推移を見るとむしろ年々減少傾向にあります。
つまり「仕事の量が増えたから遅い」というわけでもないのです。

③ 相続登記義務化による「セルフ登記」の増加

2024年4月から相続登記が義務化されたことで、一般の方が自分で登記を申請する「セルフ登記」が急増しています。
司法書士のようにオンライン申請に慣れていない一般申請では、書類不備や補正(修正)対応が多発。
また紙での申請が中心となるため、法務局側の事務処理も格段に増えています。

④ 新制度対応による事務負担の増加

さらに、登記制度自体の変更も影響しています。
たとえば「メールアドレスの提供制度」など、将来的な住所・氏名変更登記の義務化に備えた新事務が追加され、法務局の業務量が増加。
こうした制度改正への対応が、現場の処理スピードを押し下げているのです。

結果として、登記完了が平均で1か月以上かかる構造的な遅延が生じていると考えられます。

登記完了が遅れると何が困るのか

「登記が遅いだけで別に困らないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし実は、この「登記完了の遅れ」は不動産取引や会社取引に直接的な影響を及ぼします。

1. 不動産取引の決済ができない

登記申請中の間、登記簿の内容は閲覧できません。
つまり、最新の所有者や権利関係が確認できない状態になります。

売買決済では、司法書士が「当日の登記簿」を確認し、余計な抵当権や差押えがないことを確認してから「お金を払って大丈夫です」とOKを出します。
しかし登記が未完了だと、最新情報が確認できず、決済そのものができません。
その結果、取引が延期になったり、場合によっては違約金の支払いが発生するリスクもあります。

2. 法人登記も同様に影響

不動産の売主や買主が法人の場合、代表者の資格確認も登記簿で行います。
法人登記が「登記中」で確認できない状態だと、「この人が本当に代表取締役なのか」を証明できず、こちらも決済に支障が出ます。

登記完了の遅れを防ぐための対策

こうした状況を踏まえ、現場では次のような対策が重要になります。

① 余裕をもったスケジュール設定

登記完了までに1か月かかる前提で、早めに登記申請を行うことが第一です。
たとえば売買決済が決まっている場合には、1か月以上前には登記関連の準備を進めておくべきです。
法務局のサイトで登記完了予定日を確認できるので、計画段階でチェックしておくと安心です。

② オンライン申請の活用

司法書士など専門家は、原則オンラインで登記を申請します。
データで直接法務局に送られるため、職員の入力作業が大幅に減り、事務負担が軽くなる=処理が早くなる傾向があります。
一般の方でも可能であればオンライン申請を検討するのが理想です。

③ 司法書士に一括で依頼する

たとえば「決済を控えているから先に住所変更登記だけ自分でやっておこう」という方もいますが、これが逆効果になる場合があります。
住所変更登記が完了しないまま決済日を向かえてしますと、取引ができなくなるリスクがあります。
登記の順序や依存関係を理解している司法書士にまとめて依頼することで、全体をスムーズに進められます。

まとめ:今は「登記も1か月待ち」の時代。計画的に動くことが大切

登記完了が1か月以上かかる――これは一時的な混乱ではなく、制度改正や申請構造の変化による恒常的な遅延の可能性があります。
私たち司法書士の現場でも、取引スケジュールや登記申請の段取りを見直す必要が生じています。

不動産取引・会社設立・相続登記など、登記が関わる手続きでは、ぜひ早めの準備を心がけてください。
そして登記に関する疑問や不安があれば、専門家である司法書士へお気軽にご相談ください。
事前の一歩が、後のトラブルを大きく防ぐことにつながります。

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