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[遺言・後見・家族信託]

認知症になると“お金が使えなくなる”——その現実と、家族信託で備えるべき理由を徹底解説

  • 投稿:2025年12月10日
認知症になると“お金が使えなくなる”——その現実と、家族信託で備えるべき理由を徹底解説

近年、「家族信託」という言葉を耳にする機会が増えてきました。しかし、「結局うちには関係ない」「まだ元気だから必要ない」と思われる方も多いのが実情です。

司法書士として日々ご相談を受けていると、
“困ってからではもう遅い”
というケースが本当に多くあります。

その大きな理由が、認知症になると、ほぼすべての財産が動かなくなるという現実です。

この事実を正しく理解している方は、実は多くありません。本記事では「なぜ財産が使えなくなるのか」「どう備えるべきか」を分かりやすく解説し、最後にその対策となる「家族信託」について詳しくご紹介します。

※動画でも解説していますので是非ご覧ください。チャンネル登録もよろしくお願いします!!

■ 認知症になると財産はどうなる?

―想像以上に生活が立ち行かなくなる現実

認知症と診断されただけで自動的に銀行口座が凍結されるわけではありません。しかし、金融機関が「判断能力が不足している」事実を把握した時点で、口座は本人保護のため凍結されます。

するとどうなるか。

□ 口座の入出金ができない

・生活費の引き出し不可
・振込や支払いも停止
・定期預金の解約も不可

□ 不動産の取引が一切できない

・売却できない
・賃貸の契約更新や新規契約も不可

□ 介護施設の入居費用が払えない

「お金はあるのに払えない」という逆転現象が起こります。

つまり、

生活に必要なお金すら家族が自由に使えなくなる。

これが現実です。


■ よくある誤解

「家族なら勝手に手続きできるんじゃないの?」

最も多い誤解がこれです。

・キャッシュカードを預かっている
・暗証番号を知っている
・昔から家計は妻(夫)が管理している

このような状況でも、法的には「家族だからできる」ということはありません。

銀行での大きな出金や定期預金の解約には“本人確認”が必須であり、本人の判断能力が不足していると認められると、手続きは止まります。

また、不動産売却は司法書士が本人の意思確認を行いますが、判断能力が不十分であれば契約は無効となり、手続き自体が成立しません。


■ 認知症になった後にできること

―「成年後見制度」しか選べない

認知症が進行すると、財産管理の手段は 成年後見制度の一択 になります。

しかし、この制度には次のようなデメリットがあります。

□ 家族が自由に財産を動かせなくなる

裁判所の監督下で使途が厳格に管理されます。

□ 毎年、裁判所への報告が必要

煩雑で時間的負担が大きい制度です。

□ 自宅の売却にも裁判所の許可が必要

売却に数ヶ月かかることも珍しくありません。

□ 専門職後見人が選任される可能性

司法書士・弁護士等が就任し、
月2〜3万円の費用が終身で発生する
こともあります。

「もっと早く家族信託をしておけばよかった」というご家族の声を私は何度も聞いてきました。


■ 家族信託とは何か

―認知症による“財産の停止”を防ぐ仕組み

家族信託は、信頼できる家族に財産管理を任せる契約です。

ポイントは次の通りです。

● 信託を設定しておけば

本人が認知症になっても
家族が財産管理を継続できる

銀行手続き
不動産の管理・売却
生活費・医療費の支払い
など、日常的な財産管理がストップしません。

● 成年後見制度と違い

後見人が「誰になるか分からない」こともありません。
信託契約で あらかじめ家族を指名できる のです。

● 成年後見制度より柔軟

本人が望む管理方法を細かく設計できるため、 “その人の生活の現実に合った運用” ができます。


■ ただし、家族信託には重要な前提がある

―「元気なうち」でないと絶対にできない

家族信託は 契約 です。

契約には「内容を理解し、合意できる能力」が必要です。
すでに判断能力が落ちている状態では信託契約が無効となるため、設定できません。

つまり、

まだ何も困っていない“今”しかできない。

ここが最も重要なポイントです。


■ 今日のまとめ

家族信託は「財産管理を家族に任せる仕組み」です。
しかし本質はそれだけではありません。

認知症によって財産が凍結され、生活が立ち行かなくなることを事前に防ぐための備え。

これが家族信託の本当の価値です。

何も対策をしなければ、
・銀行口座は動かず
・不動産も売れず
・介護施設費用も支払えず
・生活に大きな支障が出る

こうした現実が待っています。

だからこそ、
“まだ元気な今” が家族信託のスタートラインです。

もし「うちの場合はどうだろう?」「どこまで任せられる?」など気になる点があれば、ぜひ当事務所へご相談ください。


■ 関連情報:書籍出版のお知らせ

2025年11月25日、私の2冊目の著書

『生前対策が全然わかっていない親子ですが、家族信託って結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)

が発売されました。

専門用語を極力使わず、イラスト・漫画も交えて、どなたでも理解できる内容となっています。
家族信託を「もっと深く知りたい」という方は、ぜひお手に取ってみてください。

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