[相続]
突然!「遺産分割協議書」が送られてきた時の対応方法について
- 投稿:2024年10月02日
ある日突然、みなさんのお手元に「あなたは相続人です。この遺産分割協議書に実印で押印して印鑑証明書と併せて返送してください」と書類が届いたらどうしたらいいかお分かりになりますでしょうか。
当事務所でもこのようなご相談をときどきいただきます。
そこで、今回は突然遺産分割協議書が送られてきたときの対処方法について相続専門の司法書士が解説します。
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何も確認せずに署名・捺印しない
まず、最も重要なポイントは、内容を確認せずに署名や捺印をして返送しないことです。「遺産分割協議書」という書類は、遺産の分け方について相続人全員で協議した結果、その内容を証拠として残すための書類です。この書類に署名し、実印を捺印すると、その内容をすべて認めたということになり、後で「やっぱり納得できない」と言っても、撤回することは極めて困難です。
そのため、内容をよく理解し、納得したうえで署名・捺印することが大切です。焦って対応することは避け、冷静に対処しましょう。
突然の「遺産分割協議書」の送付は異常
次に、覚えておいていただきたいのは、突然「遺産分割協議書」が送られてくることは通常ありえないということです。遺産分割協議は、相続人全員で話し合い、協議した内容をもとに書類化するのが通常の手順です。
つまり、自分も相続人の一人であるにもかかわらず、自分を含めない形で協議が行われた結果の書類がいきなり送られてくるのは、順序が間違っていることになります。こういったケースでは、送られてきた「遺産分割協議書」の内容をすぐに承諾するのではなく、まずはその経緯を確認することが大切です。
送られてきた書類の中身をしっかり確認
書類を受け取った際は、以下の点を確認してください。
- 相続の経緯や相続人の関係が書かれているか:他にどのような相続人がいるのかがわかる「相続人関係図」や「家系図」が添付されていればベストです。
- 相続財産の詳細が記載されているか:遺産分割協議書に記載されている財産とその根拠となる資料がきちんと同封されているか確認しましょう。財産漏れがあったり故意に隠されている状態もありえます。
- 送付者が誰なのか:書類の送り主が誰で、相続人である自分とどのような関係があるのかを確認します。また、第三者が関わっている場合、その人物が信頼できる資格者(司法書士、弁護士など)であるかを確認しましょう。
もし、これらの情報が不足している場合や内容に不安を感じる場合は、すぐに対応せず、専門家に相談することをお勧めします。
書類の送り主や資格者の確認方法
送られてきた書類が、第三者(司法書士、行政書士など)によって送られてきた場合は、その人物が本当に国家資格を持っているかを確認しましょう。例えば、司法書士の場合、「日本司法書士会連合会」のウェブサイトで氏名や事務所の住所を検索することができます。
これは、他の資格者についても同様です。例えば行政書士の場合も、各連合会のサイトで同様に検索できるので、インターネットで確認してみてください。
専門家への相談をためらわない
もし内容を確認しても理解できない、または相手に直接問い合わせるのが不安であるという場合は、専門家(司法書士、弁護士など)に相談することをお勧めします。
相続に関する揉め事や交渉事は、司法書士では対応できないこともあります。そのため、すでにトラブルが発生している、またはその可能性があると感じた場合には、最初から弁護士に依頼することを考えましょう。
ただし、特定の親族や相続人同士の関係について確認したい場合などであれば、司法書士にも相談することができます。そういった内容に関しては、お気軽にご連絡ください。
まとめ
今回は、突然「遺産分割協議書」が送られてきた時の対応方法について解説しました。内容を確認せずに署名・捺印することは絶対に避け、冷静に対応してください。もし不安があれば、専門家に相談することをためらわずに行いましょう。