[不動産(売買以外)]
民事執行法第82条第2項の手続きについて~その2~
- 投稿:2016年02月02日
- 更新:2024年02月16日
結構前に書いた記事ですが、よく検索されているようです。
民事執行法第82条第2項の手続きについて
こちらの記事に概略は記載したのですが、では実際の利用に当たっての注意点や必要なものなどはどのようなものがあるのか今回はピックアップします。
法82条2項の利用にあたっての注意点
金融機関の選定
まず、利用にあたって借入先の金融機関に話しを通さなければなりません。
この制度を詳しく知っている担当者は少ないため、まったく初めての場合だと苦労するかもしれません。
私がよく82条の手続きをやらせていただいている会社は、不動産をほぼ競売で、かつ82条手続きを利用するため、借入先の金融機関もある程度固定の金融機関を利用します。
何回も手続きしているので、不動産会社、金融機関、当職での連絡はスムーズです。
裁判所への書類提出の期限
82条の手続きの際には、裁判所に82条手続きを利用する旨の連絡を入れて、まず指定の司法書士に登記嘱託書を交付してもらうための申出手続きに行かなくてはなりません。
この申出手続きは代金納付日の1週間前には行く必要があるでしょう。
この際に申出書と指定書という書類を提出するのですが、この書類には競売物件の買受人が入札した時と同じ印鑑で捺印し、借入先の金融機関からも印鑑をもらわなければなりません。
金融機関はこの印鑑をもらうのに本部を通すためにすぐには捺印してもらうことが出来ません。
また、金融機関にもよりますが、捨印の押印をしてくれないところもありますので、書類に誤字脱字等の細かいミスも許されません。
申出の際に用意するもの
- 申出書
- 指定書
- (根)抵当権設定契約書の写し※記名押印までされたもの
- 金融機関の資格証明書
- 買受人の資格証明書(法人の場合)または住民票(個人の場合)
- 物件の登記簿謄本※マンションの場合は敷地のものも必要
- 物件の評価証明書
以上のものが必要なのですが、平成27年11月の不動産登記令等の改正によって、法人の資格証明書を添付省略できるようになったので、管轄によっては原本を提示して写しを渡すだけでもよい場合があります。
詳細は82条の申出手続きの前に管轄裁判所に問い合わせた方が良いでしょう。
不動産業者さまへ
利用にあたっての金融機関の選定や担当者への説明、裁判所への書類提出など、書類のミスが許されず代金納付の期限もあるので慎重に行わなければなりません。
当事務所にご依頼いただければ、金融機関のご紹介や82条の申出の裁判所への書類提出代行も行っております。
競売物件を仕入れる際に有効に利用できる制度だと思いますのでご検討してみてはいかがでしょうか。